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石文化対談

家族とお墓への思いは原感覚

2020/02/22 【石文化対談】

吉田:つき詰めていくと、人類がお墓について抱いているほんとうの気持ちはすこしも変わらないと思っています。なぜお墓をつくるのか。これは理屈じゃないということです。自然な悼む気持ち、これが原点で理屈じゃない。この原点をあやまつような社会や政治についての考え方はまちがっているとおもいますね。

加地:ほんとうにそうなんです。人間だけがちゃんと亡くなった人の遺体を処理する、これ人間の人間らしいところで、その仕方には地域性がある。インドのような暑いところで人がなくなると、腐敗がすぐ始まる。それでインドでは火葬が非常に早く発達した。ところがわれわれが住んでいるところはずっと北で、亡くなった場合でも、すぐには腐らない。だから別れられない、という感じがあるんですね。インドのように火にかけるというのは原感覚としてほんとうは理解できない。後になって火葬が入ってきて、荼毘に付しますけれど、遺骨はちゃんと集めて納めているでしょう。これは火葬ではあるけれども、土葬の観念で見ている。すなわち、「遺骨式の土葬」をちゃんとしているんですね。私はそう考えます。

吉田:火葬であっても、遺骨式という形をとった土葬だと。 加地 ですから私は、お墓を含めて日本の太古の昔からしてきたことはわれわれの感覚のなかにあると思っているんです。へたな最近の理屈だけでそれを断ち切ってしまったら、「家族の解体」を加速させます。家族が解体するいうことは、日本の社会自身の基盤を失うことです。これは亡国への道につながる。   フランスのようにキチッとした自己責任を持つ個人主義が確立されているなら、それはそれでいいですよ。日本にそんなものないんですから。そうしたら利己主義者だけの集団になる。ここをなんとか食い止める、日本という国が成り立っていくためには、一番基盤となっている家族を大事にせにゃーならんですよ。そういう問題とつながってるんだということを、墓石関係者としては、もっと意識せにゃーならん。その意識が希薄ですよ。 かつて私たちが「くに(国)」という言葉を使うとき、それは「家郷的なもの」と深く結びついた感覚があった。その「家郷感覚」というのは田舎の人、田舎から都会に出てきた人にはまだたくさん残っていると思うんですが、二代目以後の都会人には、「家郷感覚」「くに」という感覚はもうわからなくなってきた。希薄になってきたのではないでしょうか。

加地:うーん。それは、すごく危険だなあ。でもね、マザーテレサというカトリックのおばあさんがいましたね。インドでまずしい人に奉仕して生涯を終えた。あの方のお書きになったものの中に、病院に入り、老人ホームに入ると、収容されている人たちはやっぱりドアを見つめていると言うんですよ、家族が来るんじゃないかと思って。来ないんですけども、みんなドアを見つめているんだということ。

吉田:家族への思いは、原感覚としてあるという意味ですね。

加地:やっぱり血がつながっているいうことは、もう理屈とか越えたもので、許し合えるもの、溶け合うものがあるわけでしょう。学生たちに話したことがあるんですが、君らな、駅の前に朝から晩まで立って、千円くださいと言うてみろと、皆に。絶対誰もくれない。しかし、家に帰って親父に千円くれと言うと、すぐくれる。この違いが分かるかと。

:ハハハハ。

加地:ほんと、百円でもくれませんよ他人は。やる理由ないと言うんですよ。しかし、家族は、百円くれと言えばくれます。そういう無償のもの、利害を超えるものが、血のつながった者にはある。わりと親しい友人の中にもあるわけでしょう。こういうものを、みな馬鹿にしてきたんですよ、ここずーっとね。理屈だとか制度だとかいうものばっかりに頼ってきたわけでしょう。だから介護保険が出てくるわけです。

吉田:ほんとうにそうですね。

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