2019/08/27 【明日を楽しむレシピ】
まだまだセミの声もにぎやかで暑い日が続いていますが、それでも夕方から吹く風には秋の訪れを感じますね。
風だけでなく秋を感じさせてくれるのが、いわゆる「秋の高い空」。でも空の高さが季節によって変わるわけではありません。秋の空が高く感じるのはなぜなのでしょうか。
<列島を覆う高気圧の発生場所が変わります>
夏の間に日本列島を覆っているのは、南太平洋に中心を置く高気圧です。台風や夕立をもたらすこともあるこの高気圧は、海で生まれて育ったもの。ですから水蒸気を多く含んでいます。
季節が秋になってくると、今度は大陸で生まれ育った高気圧が日本列島の上に張り出してきます。こちらの高気圧は夏のものに比べて水蒸気が少なく、空気の透明度が高くなっています。また空気中に含まれる酸素や窒素の分子は粒がとても小さく、太陽光の中でも青や紫といった波長の短い光を強く散乱するのです。
さらに日差しが弱くなり気温が低くなる秋は対流が発生しにくく、地面近くの汚れた空気の層が低空にとどまります。
そのために秋になると、空がより青く見え、澄んで高く感じるのです。
<秋は雲そのものが高い位置に>
秋になると夏の湿った空気から乾燥した空気に徐々に変化していきます。そのために上昇気流が減って入道雲のような夏の雲は姿を消し、うろこ雲、羊雲のような細かくて可愛らしい雲が広がります。
夏の風物詩ともいえる積乱雲、いわゆるカミナリ雲が地上から2Km程度の低いところで生まれるのに対して、羊雲はもう少し高く7Km程度まで、うろこ雲や羽雲は5Kmから13Kmくらいの高度で発生します。
雲そのものの位置が高いところにあるので、秋の空も高く感じるわけです。
暑い暑いと言っていた夏も去っていくとさみしいものがありますが、過ごしやすい秋空の下、屋外のイベントなども多くなってくる季節です。秋を楽しみましょう。