2019/05/27 【快適くらしのレシピ】
最近、ニュース番組や新聞でよく耳にする「アポ電」の被害。
振り込め詐欺(オレオレ詐欺)よりもさらに巧妙で悪質だと言われている「アポ電」とはいったいどんな犯罪なのでしょうか?
<日常会話で警戒心を緩める「アポ電」>
「アポ電」のアポとはアポイントメントの略で、面接や会議などの約束や予約を指します。
詐欺や強盗を実行する前に、相手の警戒心を緩める電話をして、犯罪が可能かどうかをチェックする、いわば「事前アポイント」のような手口をとることから「アポ電」と呼ばれるようになりました。
息子などの親族、あるいは警察、役所、調査員など「うっかり信用してしまう」相手を名乗り、まずはお金と関係のない日常的な話題で警戒心を緩めます。たとえば「昼間、さみしくない?」「家族は元気?」「鍵は昼間かけてある?」というような巧みな質問で家族構成、家の構造、現金の有無などの個人情報を聞き出すのです。
振り込め詐欺では、息子などのふりをして指定の口座にお金を振り込ませるのが常套手段でしたが、「アポ電」では聞き出した個人情報をもとに、振込だけでなく窃盗、強盗といった直接的な手段に及ぶのが特徴です。
<住所や家族構成などを絶対に教えないこと>
アポ電の手口の恐ろしいところは、家族構成や行動範囲、スケジュール、そして住所も知られてしまうこと。そのために犯人と出くわす危険性や、複数回犯行を繰り返されるというケースも発生しています。不幸なことに今年の2月にはアポ電の被害者が殺されるという事件にまで発展してしまっています。
アポ電の被害を防ぐには、まず日中一人のときは電話に出ないこと。留守電にしておけば犯人は留守電に声を残すことは嫌います。本当に親族や知人からの電話の場合は、留守電を聞いてからかけ直せばよいわけです。
また、電話に出てしまって「怪しいな」と思った場合は、必ず電話を切ってください。
「わからないから家族が帰宅したら聞いてみる」と言って同居家族がいることをにおわせ、相手をシャットアウトすることが大切です。
親族を名乗る相手から「電話番号が変わった」と言われた場合も、もともと知っている番号にかけ直して確認してみてください。
そして絶対に個人情報を教えないこと。警察や役所などがこちらの個人情報を電話で聞いてくることはありません。名前や住所はもちろん、家族構成や日中の家族の様子などを聞き出してきた場合はすぐに電話を切ってください。
犯罪の手口は時代と共にますます多様化しています。「不審だな」と思ったら必ず所轄の警察署に届け出てください。チラシなどが配られていますし、金融機関や役所にも置かれていますので、目を通しておくことをおすすめします。