2018/08/30 【快適くらしのレシピ】
2018年を表すキーワードに「年功助力」「塾戦力」があると言われています。読んで字のごとく、年の功のある年配の人材を活かそう、熟年の人材を戦力として受け入れようという企業の試みです。
<定年退職年齢は、実はまだまだ働き盛り>
日本は2025年には人口の3人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えます。少子高齢化現象はますます進み、すでに多くの企業が若い人材確保の難しさに頭を抱え初めています。
しかしその反面で、定年退職の周辺年齢である60~65歳はまだまだ元気。「人生100年時代を迎えた」と言われる日本において、完全にリタイアしてしまうにはもったいない年齢です。現実に多くの人が定年を迎えても就業を希望し、労働意欲も高いといわれています。
<シニアの専門知識や安心感に企業が注目>
そこで注目されているのが、シニア層の豊富な経験を活かしてもらおうという企業の人事戦略です。スキル面での経験知識はもちろん、シニアが長年培った知恵、対人的・心理的な安定感や安心感などに注目する企業が増えています。有資格者であったり、専門知識を備えているシニアもたくさんおり、即戦力として働いてもらえる、ということが企業にとっても大きなメリットです。
また、高度成長期を過ごし、バブル経済も経験している現代のシニアは非常にパワフルです。パソコンなどデジタル機器を使いこなし、旅行やスポーツ、ボランティア活動など身体を動かすことにも積極的。いわゆる「高齢者」というイメージとはかけ離れています。
また、勤務時間などにも融通がきき、柔軟な勤務が可能ということも企業が期待している点です。
これまでの「シルバー雇用」などと違う点は、人手不足から単純にシニアを雇うという消極的なとらえ方から、シニアを戦略的に雇用し、そのことで企業の業績をも伸ばそうという、積極的な企業活動としての「シニア雇用」の時代へと入ってきていることです。
「シニアの人材市場」は、企業の戦略面にも影響を与える大きな転換期を迎えているといえるでしょう。