2018/03/28 【カルチャー情報】
「十三参り」という風習をご存知ですか?旧暦の3月13日(新暦の4月13日ごろ)に、男女ともに数え年13歳になったことを祝う習慣で、関西地方、とくに京都の虚空蔵菩薩への十三参りが有名です。もともと虚空蔵菩薩とは「智慧と慈悲を持った菩薩様」とされ、お参りすることで、これからの大人になっていく福徳と知恵を授かると言われています。
<13歳まで無事に育った感謝と成長への願いをこめて>
なぜ「十三歳」なのかという由来はさまざまありますが、最初の厄年を迎えるのが13歳だからという説や、半元服が13歳だったので大人の仲間入りをする年齢だからという説などがあります。また13歳とは生まれ年の干支が、初めて回ってくる年でもあります。
たとえば、このお参りではそれまでの子供用の着物から、初めて本裁ちをした大人用の晴れ着に肩上げをして着せる習慣があります。舞妓さんの着物を見ると、必ず肩上げがされていますが、これは「これからまだ成長をして、着物の裄丈も伸びていく」という証にもなっているのです。十三参りには、13歳まで無事に育ったことを感謝するとともに「まだまだ伸び代がありますよ」という願いがこもっています。
<ご先祖への成長報告を兼ねてぜひお墓参りを>
現代ですと、13歳というのはちょうど中学入学の年齢です。その入学時と重なる4月の穏やかな日に、少年・少女の健やかな成長を祈願するというこの行事、最近では関西・京都以外の地域でも十三参りをされるご家庭が増えてきました。
十三参りの正装は晴着とされていますが、もちろん洋装でもかまいません。中学入学の新しい制服でお参りするのも初々しくて素敵ですね。
13歳ごろというのは、いわゆる「思春期」を迎え子供から大人へと成長していく時期です。
ぜひ、この機会にご先祖のお墓参りもされてみてはいかがでしょうか。たくましく美しく成長した子孫の姿を報告するとともに、子供たちにとっても自分たちのご先祖のこと、祖父母や両親のことなどを想う、とてもよい機会になるはずです。