2017/09/21 【快適くらしのレシピ】
秋分の日を迎え、そろそろ本格的な秋の訪れですね。
「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、この日を過ぎると一枚上着を欲しい日も少しずつ増えてきます。
この「秋分の日」は日本の「二十四節気」のひとつです。日本ではかつて現在の太陽暦ではなく太陰暦、つまり月の満ち欠けを基準にした暦を用いていました。
太陰暦では昼が最も長い夏至、最も短い冬至、その中間の春分、秋分、その4つで「二至二分」とし、さらにそれを細かく、約15日ずつに分けて二十四節気としています。
<日本人の暮らしになじむ二十四節気>
二十四節気の中では、先に挙げた夏至、冬至、春分、秋分のほか、立春、立夏、立秋、立冬も現在でもよく使われていますし、啓蟄、穀雨、大寒なども時候の挨拶で目にするのではないでしょうか。
この二十四節気は、農耕・漁業を中心としてきた日本人にとって、日常生活に欠かせない気候や自然とのかかわりを示しています。
たとえば秋を分けると書く「秋分」は9月23日から始まり10月7日までの約15日。
空が高くなり、うろこ雲が広がります。少しずつひんやりとする日も増えてきますが、さわやかな秋の風が心地よい時期でもあります。
このころから夏枯れぎみだった花々も変化が訪れ、秋の七草(萩、尾花<すすき>、葛、おみなえし、なでしこ、藤袴、桔梗)も美しく咲き誇ります。花屋さんの店頭が秋色に染まり始める時期ですね。視界が夏の色から秋の色に変わるひとときです。
<自然を表した美しい日本語で成り立っている>
農作物でも、ブドウや梨など秋の美味しい産物や、待ちに待った新米の季節でもあります。
そしてさらに秋が深まる次の二十四節気、「寒露」の季節。10月も中旬になると、朝晩の冷え込みを感じ始めます。寒露とはまさに、秋のはじめに草木にかかる冷たい露を示しています。
このころから「秋の日はつるべ落とし」と言われるように日が短くなり、少しもの寂しい気分になるのではないでしょうか。金木製の香りが漂ってくるのもこの季節ですね。
このように、二十四節気は私たちの生活に密着し、日本の暮らしそのものを反映したとてもわかりやすい暦です。
また二十四節気そのものが、自然を表した美しい日本語で成り立っています。数字では表しきれない私たち自身の体と自然のかかわりを、おのずと暦の言葉から知ることができます。
読書の秋の始まりに、二十四節気の暦をごらんになってみてはいかがでしょうか?