2017/09/05 【快適くらしのレシピ】
「地域包括ケアシステム」とは超高齢化社会を迎えている日本で、導入が始められている新しい介護の形で、2025年を目処に「地域の包括的な支援サービス体制」の構築が進められています。2025年というのは、第一次ベビーブームに生まれた「団塊の世代」の全ての方々が75歳以上の後期高齢者となる年です。すでに多くの自治体で「地域包括センター」が機能を持ち始めています。
<高齢者が住み慣れたエリアで効率よくサポート>
地域包括ケアシステムは、少子高齢化に対応するために国が進める政策の柱であり、高齢者が住み慣れた地域・自宅で生活できるためのシステムです。同じ地域での高齢者を効率よくサポートするためには、家族とともに、地域医療機関や介護事業者・スタッフが連携しやすい状況を作る必要があります。
そのために地域における「住まい」「医療」「介護・リハビリテーション」「予防」「生活支援」の5つのサービスを、一体的に供給できるケア体制を構築しようとするのが地域包括ケアシステムです。全国一律ではなく、地域、すなわち日常生活の圏内で、医療や介護関係者が30分で駆けつけられる、「顔と顔が見える」サービスとも言えます。
<介護する家族の相談にも応える>
介護やそれにまつわる医療というと、認知症が進行したり寝たきりになったりという状態だけを想定してしまうかもしれません。
しかし高齢になってくれば、身心の能力が低下したり、家族関係に変化があったりと様々な環境変化が起こります。こうしたことにも柔軟に対応できることも地域包括ケアシステムは目指しています。それはすなわち、一人の高齢者の状況を本人だけが抱え込むのではなく、家族はもちろん医療・介護のプロなどが細かく連携してケアしていくということです。
また被介護者だけでなく、介護する側の家族の相談にも対応、寝たきりや認知症の予防やリハビリ、それと医療の連携など「日常生活の中で高齢者やその家族を支えていく」システムとなっています。
もちろん、こうして「予防」に力を入れていくことは、現在日本が直面している「医療費財源」の問題にも応えていくことになるわけです。
与えられる介護から、被介護者や介護者も自発的に参加する介護へ。
お住いのエリアの「地域包括ケアシステム」の内容はホームページやパンフレットで紹介されていますので、ぜひ一度ご覧ください。