2016/09/06 【明日を楽しむレシピ】
九月になると日中は暑さが残っていても、朝夕の風が涼しく空も高くなり、少しずつ秋の気配を感じるようになりますね。日本ではこの秋の澄んだ空に浮かぶ満月を「中秋の名月」と呼んで愛でる習慣が昔からありました。
<なぜ中秋の名月というの?十五夜との違いは?>
かつて日本では「一・二・三」月を春、「四・五・六」月を夏、「七・八・九」月を秋、「十・十一・十二」月を冬というように三か月ごとに季節を分けていました。つまり「中秋」とは秋の真ん中の月、旧暦の八月(現在の九月)をさしています。この月の満月を「中秋の名月」として楽しんだのです。
また旧暦では毎月15日の夜のことを「十五夜」と呼んでいました。月の出ない新月から満月になるまで約15日かかることから、月の半ば15日頃の丸い月を「十五夜の月」と呼んで親しんできました。
ですから「十五夜の月」とは毎月の満月を、「中秋の名月」はさらに秋の真ん中の美しい月をさしているのです。旧暦と新暦ではズレが生じるために「中秋」の日は毎年変わり、2016年の今年は9月15日(木)が中秋にあたります。
また秋は実りの季節でもあります。収穫した品をお月様にお供えし感謝するという意味合いもあり「中秋の名月にお月見をする」という風習ができたといわれています。
お月見のお供え物といえばお団子とススキです。お団子は上新粉で作るのが一般的です。お団子の数はその年の満月の数、つまり12個(うるう年は13個)という説と、十五夜なので15個とする説があるようです。ススキの穂を飾るのは稲穂に見立てたという説、ススキの切り口が魔除けになっているという説もあります。
<オリジナルなお月見を楽しんでみてはいかがでしょう>
お供え物を全て整えたお月見はもちろん素敵ですが、「材料が揃いにくい」「準備がたいへん」「場所がない」などという理由から、最近ではお月見をしないという家庭も増えているようです。
でも1年にたった1日だけの「中秋の名月」、ぜひ現代風にアレンジして楽しんでみてはいかがでしょうか。
月が見えるベランダや窓辺に「お月見コーナー」を設けて、桔梗やコスモスなど秋の花を数本飾るだけでも印象が変わります。
かわいいウサギの人形や、秋の木の実、果物を飾るのもいいですね。
また手作りにこだわらず市販のお団子でも十分。塗のお盆やお気に入りのお皿にピラミッド型に盛り付けるなど、ひと手間加えると雰囲気もぐっとあがります。
窓辺にテーブルを寄せて月を見ながらおいしいお酒とおつまみで一杯、というのもしゃれていますよ。