2015/07/23 【終活のレシピ】
サービス付き高齢者向け住宅、略して「サ高住」とは、「高齢者住まい法」の明確な基準に沿って居室の広さが定められ、バリアフリー化されたシニア向け住宅のことです。さらに安否確認サービスや生活相談サービスなどが付いており、登録制度となっています。有料老人ホームではなく一般の賃貸住宅扱いとなります。
「高齢者住まい法」登録制度
「高齢者住まい法」は高齢者の居住安定確保に関する法律で、平成13年に制定され、平成23年の改正により「サ高住」登録制度が創設されました。登録された「サ高住」にはケアの専門家(医師・看護師・介護福祉士等)が日中常駐し、すべての居住者に対して安否確認サービスと、生活相談サービス提供が義務づけられています。必要に応じて食事提供、訪問介護等のサービスを受けることもでき、居住者のニーズにあった住み方を選択できます。
「サ高住」の役割
単に高齢者の住居としての位置付けだけでなく、全国に40万人以上いるといわれる特別養護老人ホームへの入居待機者の一時的な住まいとしての利用や、在院日数の短縮により、やむなく退院せざるを得ない患者の在宅復帰先としての役割も期待されています。急速に進んでいる高齢化と共に、高齢の単身者や夫婦のみの世帯の増加を見据えて、今後10年間で「サ高住」を60万戸にする整備目標が掲げられています。
空き家活用にも
4月より設置基準が見直され基準が緩和されました。職員の常駐が「サ高住建物の敷地内または当該敷地に隣接する土地に存する建物」と定義されていたのが、サ高住建物から離れた場所に常駐する「分散型」も認められるようになり、団地やワンルームマンション等の空き家活用が容易になりました。
国は今後、既存の建物を有効活用したサ高住の整備を進め、コスト削減や地域の活性化に結びつけていくそうです。
「サ高住」は有料老人ホームと比較するとリーズナブルな価格帯の施設も多いので、入居しやすくなっています。カラオケや麻雀ルームといった娯楽設備の充実や、共有スペースで居住者同士のコミュニケーションの場を設けたりする等、ライフスタイルを充実させたい高齢者にも適しているといえるでしょう。