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お知らせ

札幌納骨堂閉鎖問題に関する見解

2022/11/02 【お知らせ】

札幌市にある納骨堂が、運営する宗教法人の資金不足で閉鎖することとなり、契約者に対し、遺骨を引き取るよう呼びかけている、という問題が発生しました。

 

まずは、このたびの騒動で、被害を受けられた契約者の皆様に、心より同情申し上げます。また、今回被害を受けなかった方でも、ご自分の納骨堂や墓地は大丈夫なのかと心配になられている方も少なくないと伺います。ですから、そうした方々の少しでも参考になればとの思いで、以下の4つの項目について、供養産業の専門家として、見解を述べさせていただきます。

①納骨堂はお墓ではない

②納骨堂では供養はできないのか?

③安心な施設の見分け方

④良い墓地とは・・・

 

 

①納骨堂はお墓ではない

多くの方が、納骨堂は、お墓の一種類だと考えておられるようですがこれは間違いです。

 

お墓は、「墓地埋葬等に関する法律」によって、「死体を埋葬又は焼骨を埋蔵(地中に埋めること)する施設」と定められています。一方、納骨堂は、「他人の委託を受けて焼骨を収蔵する施設」と定められていますので、納骨堂は、遺骨の一時預かり場所であって、お墓ではありません。

 

また、お墓との最も大きな違いは、納骨堂は、建造物の中にあるのが一般的だという点です。その場合、その建物が耐久年数を迎えた後は、どうなるのでしょうか。ご契約をされる前に、しっかり確認しておく必要がありますが、永代供養を前提としているお墓とは根本的に異なります。

 

②納骨堂では供養はできないのか?

納骨堂は、法律上はお墓でないことについては前項で述べました。しかし、だからといって、納骨堂では良いご供養ができない、ということではありません。心を込めたご供養をされる施設として、何がふさわしいのかは、お求めになられる方が、それぞれの宗教観や価値観に基づいて、ご判断されればよろしいのではないでしょうか。

 

また、納骨堂は、交通の便が良い、エレベーターや冷暖房が完備されている、雨の日でもお参りしやすいなどの施設が多く、ご高齢の方や、足腰がお悪い方でもお参りしやすいなどのメリットがあります。ですから、納骨堂をご購入されたからといって、それだけで、不安にお感じになられる必要はございません。

 

但し、今回のように、施設側の一方的な理由で、追い出されてしまうとなると話は別です。死者の尊厳を著しく傷つけることになりこれはたいへんな問題です。そうならない為には、価格や交通の便などだけではなく、その施設が皆様のご供養にふさわしいものであるかどうかしっかり見極めることが大切です。

 

 

③安心な施設の見分け方

まずは現地を訪問し、詳しく説明を聞かれ、お客様ご自身の目で、信頼に足る業者かどうか、納骨堂の経営母体がしっかりしていて継続性があるかどうかなどについて、できる限り確認することが大事だと思います。また最近では、インターネットの普及により、ホームページ上で、商談や契約を行う業者もでてきました。一見、便利で効率的なようですがこれはたいへん危険ですので、避けた方がよいでしょう。

 

 

④良い墓地とは・・・

お墓や納骨堂は、そもそも、亡くなられた大切なご家族に、安らかに眠っていただく場であり、同時に、残されたご家族が故人を偲び、語り合う場であり、そして家族の歴史や想い出を次世代に語り継いでいく、いわば「心の拠り所」だと、私たちは考えています。

 

ですから、価格や、交通の便も、もちろん大切な要素ですができれば、死者の尊厳を損ねず、そして、今は亡き大切な方と語り合い、誰の目も気にせずに、泣いたり笑ったりできる、そうした「お墓としての佇まい(たたずまい)」も大切にしていただければ幸いです。

 

一般社団法人 全国優良石材店の会

会長 吉田岳

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