2014/09/05 【アンチエイジングのレシピ】
「最近物忘れがひどくて、ひょっとしたら認知症かしら…」。今や認知症の患者数は462万人(2012年時点)。さらに、可能性がある軽度認知障害(MCI)の高齢者を入れると、何と65歳以上の4人に1人が認知症とその“予備軍”になると言われています。いつ何時「家族」が、また「自分自身」が発症するかもしれません。そんな時のために今回は「認知症」について考えていくことにしましょう。
認知症の初期症状は「物忘れ」「見当識障害」
認知症は脳の細胞が様々な原因で衰え、減少していく病気です。主な症状としては「物忘れ」や「理解・判断力の低下」「見当識の低下」などがあります。まず物忘れですが、「伝言ができなくなる」、「バスや電車に乗って外出しても行先を忘れてしまう」、「バスに乗って外出しても目的地を忘れてしまう」など新しい事を記憶できなくなることが特徴です。
また、また日付や季節、今いる場所がわからなくなる「見当識障害」といった症状、さらに進行すると「家族や友人など親しい人の顔が認識できなくなる」、「それまでは苦も無く来ていた洋服が上手に着られなくなる」といったこと、徘徊や妄想なども見られるようになります。
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症だ2大原因
先ほども「認知症は脳の細胞が様々な原因で衰え、減少していく病気」とお話ししました。この原因となる病気はいくつかありますが、一番多いのは、アルツハイマー型認知症と呼ばれる神経変性疾患です。ドイツの精神科医であるA.アルツハイマー博士が初めて報告した病気で、脳内の神経細胞がどんどん壊れ脳が次第に萎縮。知能、身体全体の機能も衰えていきます。次に多いのが脳卒中の後遺症として発症する脳血管性認知症で、この二つの疾患で認知症全体の約8割を占めています。
早期診断、早期治療で劇的に回復する認知症もある
さてこのような認知症。皆さんは「どうせ治らない病気だから医療機関に行っても仕方がない」という方も少なくありません。しかし、認知症についても早期受診、早期診断、早期治療は非常に重要で、原因によっては劇的に改善することも少なくないのです。
例えば、正常庄水頭症とか、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫などの場合、脳外科的な処置で劇的に良くなる場合もありますし、甲状腺ホルモンの異常の場合は、内科的な治療で良くなるケースもあります。薬の不適切な使用が原因で認知症に似た症状が出た場合は、服薬の中止で回復します。長期間放置すると、脳の細胞が死んでしまったりして、せっかく治癒可能だったものが取り返しのつかない状態になることもあります。家族、自分自身が認知症の気配を感じたら、一日も早い専門機関への受診を心がけたいものです。