2013/11/06 【カルチャー情報】
読書を楽しむ余裕がない方に人気の耳読書
場所や時間を気にすることなく楽しめる趣味と言えば「読書」でしょう。かばんからさっと取り出し、ページをめくるだけで別の世界に浸ることができる読書はとても魅力的です。「あのとき読んだ1冊が人生を変えた」という方も少なくないかもしれません。
とはいえ、仕事や家事に追われ最近はめっきり本を読まなくなってしまったという方も多いのではないでしょうか。そんな読書を楽しむ時間的余裕がない方の間で人気を集めているのが「耳で読書をする」、いわゆる耳読書です。
あのとき読みたかった名作を耳から楽しむ
今や名作のみならず、様々なジャンルの耳読書用の作品が「朗読CD」や「インターネットのダウンロード」で手に入るようになり、企業経営者のなかには出張の行き帰りにはいつも耳読書を楽しんでいるという方も増えています。視力の衰えなどで読書から遠ざかりつつある方も多いかと思いますが、「あの時読みたかった古典や名作」などを耳から楽しんでみるのも素敵ですね。
読書と言えば文字通り「本を読むこと」ですが、何かをしながらでも耳から情報を得られるラジオやテレビなどと大きく異なり、「読むこと」に集中する必要があります。このようにある程度の時間と集中力を必要とするため、瞬時に情報が得られるネットなどに押され、昨今では「読書離れ」が進んでいると言われています。ある調査によると、若年層より中高年層での読書離れが顕著とのこと。この背景にはネットの台頭もありますが、冒頭お話ししたように視力の衰えで小さい文字を長時間追い続けていくのが苦痛になるというケースも多いようです。
古典、日本文学、海外など豊富な作品
このように読書にとっては逆風のなかで、人気を集めているのが耳読書です。耳読書の代表例である「朗読CD」は、プロのナレーターや有名俳優が名作本などを朗読しCDに収めたもので、古事記、源氏物語、平家物語といった古典から民話、日本文学、時代小説、推理小説、現代作家の作品、海外作品など今や様々な作品が発売されています。またインターネットでは、アップルのiTunes Storeでオーディオブックをダウンロードすることができるようになっているほか、日本語オーディオブック大手の「FeBe」(フィービー)では約10,000タイトルの作品を配信しています。どれも読む読書と違って、目に負担をかけない上、家事などをしながらでも楽しむことができます。
朗読を聴くことで心の沈静も
愛用者によると、朗読を聴くことで心が落ち着いてくるそうです。そのため就寝前に聴くという方も多いと言います。事実、叙情豊かな朗読を聞くことは、映画やテレビを見るのとは違って視覚の刺激が少なく、意識を落ち着かせる効果があるようです。夜の時間も長くなり、名作を楽しむにはうってつけの時期になってきました。今宵は、耳を澄ませて本の世界に浸ってみるのはいかがでしょう。