2014/07/04 【お墓博士の一言】
私は小さいころからおもちゃが大好きで、小学校の頃はゴム動力で飛ぶ飛行機やゴム動力で走り潜る木製の潜水艦を夢中で作っていました。当時住んでいた家は、泉岳寺と塀隣りで飛行機を飛ばすには十分の広さの庭がありました。とは言っても限られた広さですから、その空間内で旋回するよう尾翼を調整したり、いかに滞空時間を長くするかに夢中でした。
潜水艦の方も同じで、庭にあった池の端からだんだん潜らせ、反対側に着くころちょうど浮上するように調整するのが楽しみで、飽きずに随分やりました。
中学生時代の大好きな遊びのひとつが鉄道模型でした。出来上がっている電車を走らせるだけでしたが、実物を精密に縮小した列車や機関車を自分好みで敷いたレールの上を走らせるのは、この上ない遊びでした。その鉄道模型はHOゲージと呼ばれるもので、実物の87分の一のスケールのものでしたが、当時の私はそんなことは全く知らずに遊んでいました。
鉄道模型は、指先でつまむような小さなもの(実物の1/450)から、実物の1/3のような大きなものまでその種類は数多くありますが、実物のように動作する列車模型と、レールの設営(レイアウト)、その周りの情景(ジオラマ)を含めて「鉄道模型」と呼ばれています。
その歴史は古く、19世紀初頭にイギリスが本物の鉄道を売り込む際の宣伝品として開発したのが始まりのようです。その後ドイツやアメリカで作られるようになり、日本では1930年代(S.5)に輸入されたOゲージ(軌間32ミリ・実物の1/43,1/48 国によって異なる)の鉄道模型が限られた愛好者の間で普及し、現在一般的には、1960年(S,30)代に入って普及したHOゲージ(軌間16.5ミリ・実物の1/87)とスケールが日本の家事情に合った為1980年代から最も多くの愛好家を獲得したNゲージ((9ミリ・1/150)、そして最近人気が出ているさらに小さなZゲージ(6.5ミリ・1/220)の3種類が普及しています。
今思うと、まだ一般的に普及していなかった昭和30年当時、何故我が家にHOゲージの鉄道模型があったのか…。ねだって買ってもらったという記憶が私にはないのです。さりとておよそ無関心のおやじが買ったものとは思えず、今となっては大きな謎となっています。
鉄道模型の楽しみ方はいろいろあります。線路のレイアウトもそのひとつです。私の部屋は6畳間です。壁際にくくりつけの書棚がありましたが、本の前面のスペースに1本のレールを敷き往復運転をさせたのが、しばらく遠ざかっていた鉄道模型作り再燃の始まりです。社長業を息子にバトンタッチし、時間ゆとりが出来た5年前からです。
今では本はすべて撤去、継ぎ足し継ぎ足しで拡張し、部屋の壁3面に全長9メートル、幅35センチ、最大60センチ幅の板を二段据えつけ 、そこに列車を走らせていますので、ベットの頭の上も列車が走っています。幅が35センチしかありませんから、エンドレスの輪にはできませんので終点まで行くと自動的にリターンしてくる配線で、4車線の内2車線は終点に着くと3種類の列車が交互に発車する配線になっています。
そして線路に沿って作るジオラマ(情景)作りがとても楽しいのです。情景物を手作りされている方もいますが、私はほとんど既製品で作っています。
すべて1/150のスケールですから、乗用車で3センチぐらい、人間は1,1ミリ、犬は0,3ミリ位の大きさですから、目が悪くなってきた私には作業が結構大変ですが、休みの日には時を忘れて楽しんでいます。
私のジオラマは鉄道には付き物の鉄橋やトンネル、駅はもとより、オフィス街には大型ビル小型ビル、住宅街に行くと様々な家や教会、繁華街では本物そっくりのコンビニ、ショッピングセンター、ガソリンスタンド、ファミリーレストラン、ホテル、郵便局、警察署、スポーツセンターが建ち並んでいます。街を出ると公園があり、公園には池があり、手漕ぎボートやスワン型ボートが、そしてベンチで休む人、犬を散歩させている人もいます。さらに郊外に行くと馬や牛が放牧されている牧場があり、農村地帯では農家があり、農作業をしている人がいます。森林もありますし、植栽や花もいっぱいです。また家や建物にはライテイングもしていますので、夜は幻想的な情景が楽しめます。
ところで、もうすぐお盆ですね。お盆はご先祖様の年一度のお里帰りの日です。お墓詣りに行き、迎え火を焚いて祖霊をお迎えし、仏壇にお供え物をして家族全員で心を込めてお迎えしましょう。
言い忘れましたが、私のジオラマにはお寺様も霊園も作ってあります。霊園には和型、洋型の墓石が建っています。そしてお参りをするために電車は霊園の前で停車するようになっています。
皆さんも一度鉄道模型をご覧になってはいかがですか。ネットで調べれば、常設されたジオラマで列車を走らせているショップや展示会も紹介されています。